10年前のボーイ隊春季キャンプ。私はボーイ隊1年目で、初めてのキャンプだ。
何をすればいいのか分からない。ぼーっとしていると班長から指示をもらった。
2日目の夕食配給での事。班長に鍋に水を入れるように言われた。
力に自身があった私は大コッフェルに8分ほど水をいれ、かまどに乗せ、他の班員が米と一緒に火にかけている。
次に豆腐をさいの目に切り、煮立ったコッフェルに入れた。
班長の指示通りである。
食事のために、机を拭くように言われた私は台拭きをもって班サイトに戻る。
コッフェルが班サイトに運ばれ、食事の用意ができた。
この時まではご飯と味噌汁だと思っていた。しかし、出来たのは薄くて辛い謎のスープだった。
しかも量は大コッフェルに8分もある。本当の献立はご飯と麻婆豆腐だったのだ。
誰も気が付かなかった事に、個々に自責の念があったのか、呆れていたのか、特に言い合いは発生せず、量に圧倒されながらも黙々と食べていたことは今でも意外に思っている。
これを振り返って私は、班長は班員との意思疎通は大切だという事が分かった。
今から何をするか。そのために何が必要か。順を追って説明する事が大事である。
今、私はボーイ隊の副長で、その事を後輩に教えなければいけない立場にある。
(M.H) ky72-014